QB・創業者にインタビュー


組合加入の理容店主らは、格安チェーン「QBハウス」(東京都中央区銀座)について「小西さんの店」と表現することが多い。
「小西さん」とは、同社の創業者、小西国義会長(61)。

 小西氏は平成13年に会長となり、「現在、マスコミの取材は社長の荒木(孝司氏)が受けて
いる」(同社)。だが、組合店主らが強烈に意識する人物に迫るため、小西氏本人に
インタビューを申し込んだ。

 「何だか目の敵にされていますが、既存店の息の根を止めようと思ったことなど
ありません」と、小西氏は柔らかな口調で話し始めた。

 束京都出身の小西氏は青山学院大学卒業後、昭和電工に入社。同社を退社後、
「国家予算をいじる仕事がやりたかった」と、医療機器商社の経営に乗り出した。

 全国を飛び回るなか、各地で理容店に入ることが多かった。
そこで感じた幾つかの「?」が、QB起業に結びついた。

 「どこでも出てくるのはカット、顔剃り、洗髪がセットになった“定食メニュー“。
待ち時間を含め、なぜ、長時間拘束されなければならないのか、疑問を感じた」
 加えて、後継者不足に悩む店主が多いことにも首をかしげた。

 「高級車に乗ったり、いい生活をしている店主は多い。
でも、息子は美容師や他の職業に就いて、店を継がない。
この業界は若い人に魅力がない、若い世代に配慮していないと感じた」

ある時、理容店で顔に蒸しタオルを乗せててウトウトしていると、
遠くに、息子が継がねえんだよなァ…」という店主のぼやき声が聞こえた。
そこで、「この業界のマーケットリサーチをしてみようか」と軽い気持ちで考えた。

 「それが参入のきっかけ。ハサミは植木鋏しか握ったことがない」

 調査の結果、男性客の30%以上が理容店のありかたに不満を抱いていることが判明。
「これはいける」そんな確信が見事に的中し、平成8年の第1号店出店から
約6年半で、200店に迫るまで急成長。店舗売り上げは約51億7600万円(平成15年6月期)に及ぶ。

QBの店舗には待ち時間を知らせる3色ランプや、鏡の裏側をクローゼットにするなど、多くの“仕掛け“かある。   
 「カラクリ時計の仕組みがどうなっているか気になるように、『面白い』という感動を与えることが、消賓者の共感を得ている」
現在、全店が大ヒットという状況で、「まもなく200店ですが、実はもっと早く達成できると思っていた。この勢いなら、海外を含め、1000店では止まらないはず。どこまで増えるかは、消費者の支持が決めること」と胸を張る。

「前例にないことをやる」と、世間の“常識“にとらわれず、常に前進。「成功の秘訣」は「周りの人が何に困っているかを観察すること」
会長となった今、理容の次に取り組もうとしているテーマは「水」なのだという。
 内に情熱を秘めながら、ソフトな口調でユーモアを絶やきない小西氏。前例にとらわれない“ビックリ箱“、から、次に何が飛び出すのか。